頚部脊柱管狭窄症(けいぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

頚部脊柱管狭窄症には先天性頚部脊柱管狭窄症と頚椎の変性[骨棘形成、椎間板の突出、黄色靭帯の肥厚などによる頚椎症と同義語]、椎弓、硬膜、靭帯の肥厚や石灰化により脊髄・神経根が圧迫障害される進行性頚部脊柱管狭窄症を含んでいます。頚椎症性脊髄症と進行性頚部脊柱管狭窄症はほとんど同じ病態を意味しています。

症状

代表症例1 〈頚椎症性脊髄症〉

48歳 女性
【症状】四肢のシビレと上肢の疼痛で発症。保存的加療を行うも上肢の巧緻運動障害が出現・悪化。
【治療】1椎間に限局しているため前方除圧固定術を選択した。

代表症例1 〈頚椎症性脊髄症〉

代表症例2 〈頚椎症性脊髄症〉

71歳 男性
【症状】四肢のシビレと両上肢・下肢運動障害
【治療】多椎間に限局しているため頚椎椎弓形成術

代表症例2 〈頚椎症性脊髄症〉

代表症例3 〈頚椎症性脊髄症〉(再発)

65歳 男性
【症状】他院で術後から次第に四肢運動障害が進行
【治療】後弯変形と多椎間狭窄のため前方・後方手術

代表症例3 〈頚椎症性脊髄症〉(再発)

以前は「頚髄症治療判定基準(JOA score)」が8点以下が外科的治療の適応とされていました。しかし、すでに症状が進行してしまった脊髄症はいかなる治療法を選択しても臨床症状の改善はありません。以前は手術による悪化例は19%とされていました。近年、顕微鏡を利用した手術技術の進歩の結果、手術による神経学的合併症は非常に少なく、永久的に残る手術合併症はほとんどありません。
このため、最近の知見では13点未満になると、脊髄は不可逆的障害を起こし、ADLの低下を食い止めることができなくなるので、13点以下になれば外科的治療が望ましいとする報告がほとんどとなっています。この13点という点数はどのような程度かといえば、例えば手足に軽い痺れがあり、階段の昇り降りの際に手すりが必要になれば13点なのです。いかに軽い時期に手術治療が必要か理解できると思います。ただ、どの施設も同じような成績かといえば決してそうではなく、手術技術は各施設で大きく異なることは当然のことです。

「頚髄症治療判定基準(JOA score)」はこちら

 

詳しくはこちら〈頸部脊柱管狭窄症〉の主な手術について詳しくはこちらをご確認ください

頚椎椎弓形成術

頚椎椎弓形成術〈片開き式〉

頚椎前方除圧固定術