胸・腰椎前側方固定術(きょうようついぜんそくほうこていじゅつ)とは

手術方法

手術イメージ全身麻酔下に左上の側臥位となり、胸部から腹部にかけて約20cm程度の斜めの皮膚切開を行い、胸とおなかの横から手術します。胸とおなかの境をしている横隔膜を切開し、肺、腸や腎臓をよけると椎体と呼ばれる背骨の一部が見えてきます。ここで破壊された椎体を除去し、そして圧迫されている神経の入っている管を広げた後、腸骨や骨を詰めたメッシュ状のチタン製の人工椎体で上下の椎体を固定します。さらに上下の椎体にチタン製のスクリューを打ち込んで、強固な固定にします。術後に胸のなかにドレーンを入れて肺に血がたまらないようにします。

手術イメージ

手術イメージ

手術後治療

手術の翌日に胸腔に入っているドレーンを抜いてからあらかじめ作成しておいた硬性コルセットを巻いて歩行が許可されます。4日目にはシャワー浴が許可され、身体を洗うことができます。術後は肺炎の予防のために呼吸補助のリハビリやネブライザーをしますので、しっかり深呼吸をしてください。一時的に腸の運動が弱くなることがありますので、高カロリー輸液を行うこともあります。手術から約2週目には退院が許可されます。術後1ヶ月間は安静を心がけて下さい。事務的作業は1ヶ月後、肉体労働は3ヶ月目から許可されますが、骨粗鬆症の程度によって多少異なりますので、外来で診察医の指示に従ってください。

手術合併症

①深部感染(糖尿病、肝硬変、腎不全、著しい骨粗鬆症などで感染の可能性が増えます。)、②神経障害、③癒合不全、④肺炎、⑤脳梗塞・心筋梗塞、⑥その他があります。侵襲が比較的大きな手術方法のひとつですが、当院ではこれまで生命にかかわる合併症を起こしたことがありません。

術後の注意点

術後早期から痰の排出を行うための運動(呼吸運動や歩行など)を積極的に行います。積極的に離症に努めて、肺炎の予防に努めましょう。